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2016年10月25日 (火)

ギビング アンド レシービング

S氏は私より3歳年配の方である。先日、同氏は多くの方たちに手紙を書いて、今までの厚誼を感謝し、これからは従来のようにお交わりをすることができません、と知らせたのだった。それは病気の奥様の世話と己の体の弱まりが主な理由だという。年賀状もこれからは失礼することにします、とも付け加えておられた。
この手紙に接した方たちは同氏の誠実なお人柄を偲び、たくさんの良いお付き合いをいただいた事実を挙げて感謝の手紙を送ったという。
私個人においてもこの事実は変わりなく、S氏には長い間、負いきれない程のご援助をいただいた。公には学校行事において、また学級経営において、その支えは私の教師生活を維持していくのに欠かせないものだった。
個人的にはC型肝炎の治療で勤務からの帰り道、医院に寄って注射を打つ時、雨の中を道路脇に停めた車から傘をさしかけて私を守り、治療が終わって宿舎にたどり着くまで面倒を看ていただいたことなど数えたらきりがない。
このS氏と先程電話で話したのだが、金曜日は奥様がデイケアに一日行っているので、時間を作って在任中担任した生徒Y子さんを施設に訪ねたそうである。
Y子さんは身体的にも知的にも重度の障害を持つ人である。だが、そのこころには天性の優しさが宿り、私も彼女の指導をしているときにはたくさんの癒しをいただいていた。
先日訪ねたとき、もう今は会話をすることが不可能になってしまったがS氏に触れる喜びはその体の動きからわかったとのことだ。
帰宅するとY子さんのお母さんから喜びのお礼の電話があったともS氏はおっしゃっていた。
S氏の訪問というY子さんへの愛情のギビング(与えること)とY子さんが体で示してくれた応答とお母さんの感謝をS氏がレシーブすること(受け取ること)はこうして同時に生まれて、一つの世界となって広がるものなのだろう。

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