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2016年3月 7日 (月)

納得の一言

九〇歳になるご婦人に電話した。かつて学生時代に下宿先がなくなった時、お世話になり、家族同然に住まわせてくださった方である。ご主人は東京大学の教授をし、また牧師でもあった。亡くなるときには某私立大の学長までされたご主人だったが、病床にある時、この奥様は私のこのブログ記事をまとめた印刷物を枕元で読んでさしあげていたと後に聞いたことがる。
電話の声はいつもの早口であったがお元気そうだった。週に二回デイサービスにバスの送迎を受けて通っていること、家では入りにくくなったお風呂がそこでは安心して使えることなどを笑い声を交えながら話してくださった。
私が今の私の体の状態を話し、朝晩は着替えやトイレの動作に苦労していることを伝えると「いいんじゃない。やりなさいよ、時間はたっぷりあるでしょうし、ご自分のことだからね」と事も無げに言われたのだった。
さすがに私をよく知っておられる、がむしゃらに努力していた私の若き時代をご存知の方だとこちらも嬉しくなった。
励まし方にもいろいろあるが、こう言われると、納得するものだ。
この言葉で思い出す友人の言葉をもう一つ書いておこう。
それは大学時代の友人に、最近ではズボンを履き替えることがきつい時には履いたままで寝ることもあると電話で話したときの彼の一言。
「それも生活の知恵だね」。
両者に共通するこころは現状の肯定であり、甘受である。同情してもらうこと、いたわっていただくこと、これもありがたい。その一方で、今をそのまま認められることもまた納得できるし、力をいただくことになるのだ。

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