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2012年12月10日 (月)

人の手の助け

学生時代茗荷谷駅に近く下宿していた私は土曜日になると本郷の東京大学までデッサンをしにバスでよく行っていた。
東大の医学部の学生が踏朱会という絵画クラブを作っていて、友人の誘いでその会に属していたからだ。
古い部屋に三々五々集ってくる学生は教育大の学生とは違って上等な衣服を身に着けていた。画材屋さんも来て、部屋の隅で木炭やコンテなどを売っていた。
私たちはそれを買って裸婦のデッサンを楽しんだのだった。独立美術協会員の画家が指導をしてくれていたが名前は失念した。
終わると今度は赤門近くにあった喫茶店、多分ルオーといったと思うのだが店の中に絵画が掛かっている店に行った。
そして、皆と分かれてまた下宿に帰るのだが、当時杖で歩いていた私はバスになんとか乗ることができた。まだ車掌さんがいる頃だったので、バスが停まると先ず先程描いてきた丸めた大きな画紙を預けて、それから片方の杖も差し出して持ってもらい、その後で残った杖と足に力を込めて乗り込むのだった。
車掌さんのいるバスはもう何処へ行ってもお目にかかることはできない時代になってしまったが、あのような人の手で助けをいただいて過ごした青春時代が懐かしい。

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