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2012年7月25日 (水)

少年の日の思い出

我が家から少し行ったところに小さな町工場があった。浦野製作所といったかもしれない。従業員は浦野さんのおじさんと若い職工が一人。今のNHKの朝ドラの工務店のようなものだ。
私は遠くまで遊びに行けないので家にいることが多かったが、それでも飽きると時たま松葉杖を引きながらこの工場を覗きに行った。旧国道に面している窓が開けてあって、窓際の旋盤が上から吊ってあるベルトで勢い良く回っている。そこに職工が何か工具を接すると削られた金属が螺旋形に光りながら長く長く伸びて、やがて床に落るのだった。それは油で汚れた室内の空気とは対照的に生きもののようにも見えた。
実はこんなことを思い出したのは今朝から隣の空き地に小さなブルドーザーが入って工事を始めたからである。未だ暑くならないうちにと思って私はしばらく土を掘ってはトラックに積み込む作業を見つめていたのだ。一人になって誰と話すでもなく機械の働きを眺めている。少年の日のあの光景に似ている気がする。

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