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2011年12月 2日 (金)

美しいことば

島崎光正さんの奥様から一冊の本が届いた。「帰郷 島崎光正遺稿詩集」(教文社刊)である。この詩集は既に島崎光正さんが召天された翌年に出版されているのにどうしたのだろう、といぶかりつつ本を開くと、「帰郷 今月再版し好評のようです 島崎キヌコ」と書かれた紙片が出てきた。
懐かしい島崎さんに会うつもりで読み始めた私は、島崎さんの詩はなんども読んでいるはずなのに新しい人に会うような錯覚におちいり、先を急いで読み続けたのだった。これは私が日常において美しいことばからいかに遠ざかっているかを示していた。
 あまい長くないものを一編ここに採らせてもらおう。
 
 私の中の

私の中のザアカイを見つけ
主は呼びかけられる
 (早く下りていらっしゃい
  今日、あなたの家に泊まることにしているから)
野火止用水のほとりの
いちじく桑のしげみにかくれ
ひそかな のぞき見の私は
にわかに
縮んでいた身を晒そうとする
立ちどまった影の
ブランケットのような
約束に向って
 (野火止用水は、東村山市を流れる用水である)

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