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2009年11月12日 (木)

溜飲を下げる

 先日の朝日新聞「朝日広告特集」欄に「『がんと仲良く暮らす』ってどういうこと?」と題して二人の医師の対談が載っていた。その一人、癌究有明病院緩和ケア科部長向山雄人氏がこんなことを言っていた。

 「がんによって起こる障害には器質的障害と機能的障害の二つがあります。(その一つの)機能的障害とは、がん細胞・組織から分泌される物質などにより、体内で慢性炎症、脳神経・内分泌・代謝・免疫異常を起こし、体が衰弱するだけでなく、精神的にも消耗してしまう状態をいいます。」

 「体重の減少、主に全身の筋肉の萎しゅくが起こると、患者さんの体力が奪われ続けるとともに、生活の質(QOL)を維持することが難しくなります。同時に、抗がん剤などを分解する酵素の働きが弱くなって、抗がん剤の副作用が強く出たり、治療を続けられなくなったりすることもあります。」

 私は妻の闘病の日々を思い出し、この話はそっくり妻の様子を言いえていると納得した。妻には機能障害が明らかに起こっていたのだ。食欲がなくなり、周囲のものとの交流が乏しくなり、イレッサも利かず、体がどんどん弱っていった妻。周囲のものの懸命な励ましも、もしかしたら妻には届かず、かえって迷惑だったかもしれないとも今に思う。妻は私が理解していない別の世界を生きて、そして旅立っていったのだろう。

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