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2009年9月22日 (火)

4つの臍帯

一日の生活を終え寝室に入る。落ち着いた心で、ベッドに入る前のわずかな時間、妻の写真を見つめ、部屋の空気を感じ取る。
そのとき、妻が残していったものが入ったひきだしについ手が伸びる。ブローチや時計、その他のアクセサリーが当時の輝きをそのままに収まっているのだ。ガーネット(友情と忠誠の石。多くの人に愛され、忍耐を成就する石だそうだ)の婚約指輪は少し色あせているが、それもこの仲間に入っている。結婚指輪を探したが死後私がどこかに置いたはずなのに見つかっていない。
この下のひきだしには子供たちの小学校からの通知表がみな保存されている。そしてその下に4つの桐の箱がある(正確には3つの桐の箱と1つのプラスッチックの箱。最後の子供のころになると桐が使われなくなったのだろう)。
箱の表面には「寿 御臍帯納、御産毛納」との金文字が刻まれ、裏には名前と出世時の体重などが書かれている。
私は忘れていたのだが、妻は自らの体を分けた子供たちの出生の証をこうして最後まで大事に持ち続けて天に行ったのだ。

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