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2009年5月19日 (火)

一本の絵筆

ヒカちゃんが絵を描くと言い出した。半紙代の大きさの絵である。ママの会社が募集しているポスターに応募して2000円をもらうんだと意気込んでいる。
下絵を描いて、「ジーちゃん筆貸して」と言ってきた。いつもは無断で書斎から持ち出していくのにどうしたのかと聞くと、ない、とのこと。
なるほど、ない。数本あったはずなのにまったくない。
ヒカちゃんはしかたなく女性がお化粧する時に使う細い筆のようなもので色を塗り始めた。ここまでは数日前のことである。
 
昨日になって棚の上を見ると一本の絵筆があるのが目に付いた。「ヒカちゃん、一本だけ買ってきたの?」と私。「うん」。「買うなら細筆、中くらいの筆、太筆などそろえて買えばいいのに」。「いいの。これで描けるんだから」
そう言ってヒカちゃんは暗闇の中に自転車がライトをつけて走る様子をどんな色を使ったらいいかママに相談しながら塗っていた。
絵筆を一本買って与える母親もそれでいいと思っているのだろう。絵を趣味とする私の感覚とは違う、それぞれその人のやり方があるものだと合点して私はヒカちゃんの作業を見詰めていた。

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