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2008年12月18日 (木)

70男の嗚咽

大学時代の友人が電話をしてきた。最初のうちは、声が変わったけど風邪を引いているんじゃないかと私を気遣っていたのだが、そのうちに、葉書をもらったけどなんと言えばいいのか分からないのでこんなに遅くなってごめんなと本題に話を移していった。
本当なんだね、信じられないんだよ、と妻の死を念を押した。まだ彼の人の良い、温厚な性格がそのまま現れた話し方だった。
私が、妻は癌で、痛みに耐え抜いた日々だったよと二月ごろからの病状や看護の様子を話すと、痛みが押さえられなかったんだねと彼が言った。
彼は今息子さんの子供、すなわち孫を2人預かって育てている。息子さんの嫁さんが子供を残して癌で亡くなったからである。その彼女は1年の闘病生活で亡くなったそうだが、やはり痛みがひどく、モルヒネを痛みのたびに使っていたそうだ。
私ができるだけ傍に寄り添い看病したことや子どもたちが交替で面倒みたことを話すと、つらかったな、と相槌をうち、おれ、おかしくなってきちゃったよ、というが早いか泣きじゃくり声が途切れ始めた。そして、また電話するよと嗚咽の中でしゃべるので、わたしもありがとう、ありがとうと言いながら泣いた。彼は嫁さんの苦しみを思い出したに違いない。それに私たちの悲しみを重ねていたのだろう。電話は終わった。
電話を終わって畳にしばらく横になっていたのだが、最近は乾いていた涙がとめどもなく流れた。私のなかにはまだこんなに涙が溜まっていたのだった。

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コメント

よいお友達ですね。お二人の悲しみが癒されますように。

投稿: 男の一人 | 2008年12月20日 (土) 23時26分

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