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2008年8月26日 (火)

慰めの詩

天に一人を増しぬ
         Sarah Geraldine Stock作 植村正久訳

家には一人を減じたり 楽しき団欒は破れたり 愛する顔 いつもの席に見えぬぞ悲しき
さはれ 天に一人を増しぬ 清められ 救われ全うせられしもの一人を
家には一人を減じたり 帰るを迎ふる声 一つ見えずなりぬ 行くを送る言葉 一つ消え失せぬ
別るることの絶えてなき浜辺に 一つの霊魂は上陸せり 天に一人を増しぬ
家には一人を減じたり 門を入るにも死別の哀れにたえず 内に入れば空しき席を見るも涙なり
さはれ はるか彼方に我らの行くを待ちつつ 天に一人を増しぬ
家には一人を減じたり 弱く浅ましき人情の霧立ち蔽いて 歩みもしどろに 目も暗し
さはれ みくらよりの日輝き出でぬ 天に一人を増しぬ
げに天に一人を増しぬ 土の型にねじこまれて キリストを見るの目も暗く
愛の冷ややかなるここいかで我らの家をなつべき

顔を合はせて わが君を見まつらん かしここそ家なれ また天なれ
地には一人を減じたり その苦痛 悲哀 労働を分つべき一人を減じたり 旅人の日ごとの十字架をになふべき一人を減じたり
さはれ あがなわれし霊の冠をいただくべきもの一人を 天の家に増しぬ
天に一人を増しぬ 曇りの日にもこの一念に輝かん 感謝 讃美の題目 更に加はれり
われらの霊魂を天の故郷にひきかかぐるくさりの環 さらに一つの環を加へられしなり
家に一人を増しぬ 分るることのたえてなき家に 一人も失はるることなかるべき家に
主イエスよ 天の家庭に君と共に坐すべき席を 我らすべてにも与へたまへ
   
これは納骨記念式の礼拝で牧師がその一部を紹介してくれた詩である。私はこの詩がいたく気に入り、書斎のドアに貼った。
詩人については何の知識も持たないが、この詩は親しきものを天に送った者の心を余すところなくとらえ、またその者に慰めと生きる希望を与える。
妻が召されたことを悲しみのうちに悟るのはほんの日常の小場面である。この詩の詠うごとく、いつもの席にいるべき妻がいない、外から帰ったとき鞄を持ちに出てくる妻がいない、体の不調や寂しさをふとささやく相手の妻がいない、そんな時がなんともやるせないのだ。
だが、妻は失せたのではない。天の一人として加わったのであるという。そのことを覚え、かつて同じ心境の詩人のいたことを心に刻み、悲しみに耐え抜こう。

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