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2008年6月27日 (金)

弟になる

病院に行く時にはいつも6歳上の姉を連れて行く。病院に行く道筋に家があることも1つの理由だが、それよりも私のことを今最も心配し、積極的に世話をしてくれている一人だからである。妻が危篤になった朝早く、病院に集る前に我家にやってきて涙声で「しっかりするんだよ。一緒に行くわけにはいかないんだからね」と叱咤激励したのもこの姉であった。
姉は77歳になるが病院に着くと私の車から積んである車イスを降ろし、運転席に横付けにしてくれる。そして、車イスを押して病室まで行くのだ。自分でも漕げるのだが姉は「いいよ、押すから」と言ってきかない。
面会が終わって帰るときになると、今度はまた車イスを自動車に載せてくれる。いやその前に私が重い体の向きを変え、足を車内に入れようとすると、その足先を持ち上げてくれることまでする。こんなことは妻さえしないことだった。亡くなった長姉が妻に「K子さん手伝ってあげて」とわたしの動作を見てよく言ったものだが、どうも幼いとき一緒だった肉親にとって病気で動けない私は常に面倒を見てあげなければならない存在だったようだ。
時によっては病院からの帰りが夕方になることもある。私は姉の、一人家で待っている主人・義兄が気になるのだが、姉は私の夕食まで心配し、スーパーに立ち寄り、買うことになる。だがここで私がお金を払うことはない。すっかり昔の同じ家に住む姉弟になってしまって、買ってもらったものをそのままいただいて帰るのだ。
私は時々涙声になって「いつも世話になってばかりで悪いね」と言うのだが、姉は「なんにもしてなんかいないよ。いつでも出来ることがあったら言いな」と言って自動車から降りるのである。
今日もまたこの姉に世話をかけて病院に行く。

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