« 今日の病室 | トップページ | 友への手紙 »

2008年6月19日 (木)

足を洗う

昨日の続き。
T・Sさんが帰って少したった時いつも元気よく妻を看護してくださっているM・Sさんが「S・Bさん、足を洗おうね」と言ってプラスチックの大きなタブを抱えて入ってきた。この看護師さんはわたしが行くと「ほら、ご主人が来たよ。よく見えるように体の向きを変えようね」と妻を動かしたり、わたしがいないときは「今日はご主人は来ないの?」とか「二人は仲がいいね」と付き添っている娘などに言うのだそうだ。
昨日は娘が付き添っていたので、「ちょっと手伝ってね」と言いながらタブの中にお湯をいっぱい注ぎ、妻の体を起して足先をその中に入れた。お湯の熱さを気にしながら足を何度もこすりながら洗ってくれた。左の足はさほど垢が出なかったようだが、右になると「ほら、出てきたよ」と指の間にタオルを差し入れて洗った。
妻は何も言葉を発せず、されるがままにしていたのだが気持ちよいことに疑いはなかった。お終いにじょうろの役をする容器からきれいな湯を注いで洗浄はおしまいになった。
妻の足は少し赤みを帯び、白い線を引いて乾いていた皮膚は滑らかになっていた。
「なかなか洗ってあげられなくて悪いんね。金曜日にはシャワーの予定を入れておくからね」、そう言ってM・S看護師は部屋を出た。
聖書にはイエスが弟子の足を洗う記事がある。この時のイエスは「この世にいる弟子たちを愛して、この上なく愛し抜かれた」(ヨハネによる福音書13章1節)と聖書にはある。
妻が足を洗ってもらう行為を自分のことのように見ていたわたしは思わず「有り難いことです」とつぶやかずにはいられなかった。

|

« 今日の病室 | トップページ | 友への手紙 »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 今日の病室 | トップページ | 友への手紙 »