« デジカメの限界 | トップページ | 言い残すこと »

2007年3月15日 (木)

救急車の中

救急車はあまり乗り心地のよいものではない。窓に沿って細いベッド様の台があり、そこに横になるのだが台が固く、ベルトで固定されていても体が支えられている感じがしないのだ。室内には心電図をとるコードが伸び、救急隊員が脈を取っている。

何より気持ちが悪いのが車がカーブする時である。周囲の景色が見えないから自分の体が空間を漂っているような不安に陥る。この感覚は救急車特有のものではない。手術室に向かうストレッチャーに寝ている時も同じである。病院の天上がストレッチャーの回転と共に大きく動く錯覚に囚われてめまいが起きそうになる。まして廊下に勾配があったりすると自分が谷底に落ちていくのではないかとさえ感じてしまう。

今回もう一つ困ったのが室内の寒さである。乗用車のようには暖房が効いていないこともあろうが、緊張と不安で体の震えが止らなかった。腹部あたりがぴくぴくと動き、腰から足先まで小刻みに震えていた。

「救急車が通ります」「左側に寄ります」などと言いながら車は進んだが、おかしなことにこの声が無言で移送される私の耳には温かく響いていた。

|

« デジカメの限界 | トップページ | 言い残すこと »

医療」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« デジカメの限界 | トップページ | 言い残すこと »