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2006年11月 7日 (火)

炬燵

 最近めっきり寒くなった。今日は立冬だという。
わたしの足はいつも冷たいのだがこの季節になるとなおこれが気になってくる。昨夜はとうとう炬燵にコードをつないでしまった。まだ布団をかけるのははばかられるのでそれはしていないが、スイッチを入れると埃の焼けるにおいがかすかに足元に広がったのだった。
 炬燵に足を入れると思い出すのが母のことである。小学生の頃しかもしれない。母は一日の仕事が終わって炬燵に手を入れてのんびりしているとき、わたしの足がそこにあると必ず自分のほうに引っ張って、このバカ足は冷てえな、などと言いながらさすってくれたものだ。細い冷え切った足を時には自分の腿に付けるようにして温まるまでそうしていた。
 わたしと言えば本を読むかなにかしながら母のするままに任せていたのだが、それは母に喜びを与えることだったと今にして思う。母は歩けない息子の冷たい足をさすることでひと時の安らぎを得ていたのだろう。
わたしの立場から言えば母から愛を受けていたのだがそれは同時に安らぎを与えることでもあったのだ。こうして与えることと受けることは人のつながりにおいて同時に起こるのである。

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