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2006年4月 4日 (火)

故郷

花陰を窓に映して走りけり
線香と雀の古寺桜咲く

Photo 忍保の寺には桜の古木がある。ハルちゃんを駅に送った帰り、今日が見納めかも知れないと思い訪ねてみた。
庫裏に入る門の脇にある二本の桜は今を盛りと花をつけていた。昨夜の嵐にもめげず、しっかりと枝につながっていたのだ。車の屋根に触るほどに伸びた枝の下を走る。影がウインドウにちらちらと動く。

境内にもたくさんの花木がある。歩いて入ると庫裏の上がり口でお茶を飲んでいる人が三人いる。一瞬ためらったがそのまま入って本堂の方に曲がった。雀がたくさん遊んでいて、線香が馥郁とした香りを漂わせていた。桜を見あげてしばし鉄棒にもたれて休んだ。

帰ろうとして庫裏の前まで来ると皆がこっちを見ている。「こんにちは」とお辞儀をする。すると「お茶をどうぞ」と女の人が声をかけた。それだけなら断って帰ることもできたのだろうが、「保さんの弟さんではないですか」と付け加えられて、わたしは足を皆の方に向けざるをえなくなった。
三人はなくなった兄の小学校時代の同級生T・Eさんと寺のご住職、それにその母親の方であった。T・Eさんは懐かしそうに兄のことや友達のことを話してくれた。住職のお母さんは私のことを昔から聞いていたという。ご主人がわたしが卒業した後に中学校の教師としてわたしの母校に赴任したから、よくできる子がいて大学に入ったということも教えてもらっていましたとおっしゃる。なぜかわたしの家にスロープがあることまでご存知であった。
お茶を日の当たる石に座っていただきながら、話はわたしの中学校時代の友達の様子にまで及んだ。この字に住んだ友のことなどをお陰で懐かしく思い出したのだった。
お茶のお替りを頂いたり、わたしのことを聞かれるままに話したりしてしばらく和やかな時をすごした後、供された最中はそのままにしてわたしはお礼を丁寧に言って寺を後にした。

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