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2006年4月20日 (木)

笑顔の人、逝く

実家の裏に住んでいるKさんが逝った。

Kさんは兄の親友である。だから82歳。安中市の高等学校に行ってからはこのおじさんに会うことも少なくなったが、小学校、中学校時代にはよく兄のところに遊びに来たからわたしも出会っていた。そのころはおじさんの家は駅近くにあったのだ。

Kさんは国鉄に務め、高崎駅勤務だった。農家のわたしの家にはない雰囲気を体いっぱいに漂わせていたのでこのおじさんが来ると家の中の空気が変るような感じだった。
ツイードの洋服を着て、ハンチングをかぶって、少ししわがれた声で「よー、渋沢いるかい」とニコニコ顔でやって来た。

一時体をこわして、調子のよくないときがあったらしい。わたしがまだ東京にいるとき、上京した兄が「勤め人は皆体を悪くするみてえんな。KもN(やはり兄の親友で、この人も鉄道勤めだった)も歩くのがやっとだよ。俺が運転してあちこち連れて行くんさ」と言っていたのを思い出す。
しかし、どうしたことか兄が10年前に先に逝ってしまった。

Kさんはいつのころかわたしの実家の裏に引っ越してきていた。昨日ふとその家の前を通りかかると喪中の印があったので義姉に電話すると亡くなったとのことだ。

大事な兄の親友のKさんだった、わたしに小さな異文化をくれたKさんだった。その思いがわたしを通夜の会場に押しやった。
祭壇には笑顔のKさんの写真が飾られていた。

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