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2006年3月10日 (金)

行ってしまった電車

「じいちゃん?乗れなかった・・・」そう言うハルちゃんは泣き声になっていた。乗ろうとした電車に乗れなったようだ。

「大丈夫だよ。乗り遅れましたと駅の人に言って出ておいで。出口のところで待っているからね」わたしは努めて平静を装って携帯電話を切った。

 確かに電車は早く着いていた。ハルちゃんを下ろして駅前を一回りしているうちにもう電車が入ってきたのだ。通過電車かと思っていると停まったらしいのである。だから駅を離れても心配で車を止めていると、そこにハルちゃんからの電話が鳴ったのだ。

 ハルちゃんはすぐに改札口から出てきた。聞いてみると駅の人が「4分したら電車が来るけど」と教えてくれたそうだ。でも心配だから帰ってきたという。

 どうも一本前の電車が遅れていたらしいのである。だからハルちゃんが乗る予定の電車はまだ着いていなかったのだ。そんなこととは知らないからてっきり自分が乗りそこなったと勘違いしたのである。

 ハルちゃんにとっては乗り遅れるなどということは初体験である。どうしたらいいのかわからず心細くなって涙がこみ上げてきたのだろう。

 わたしは車でテニスクラブまで送ることにした。安心したのかハルちゃんはやがて居眠りを始めた。

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