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2005年11月15日 (火)

救われて

 NHK番組で「アーカイブス・こころの時代」を見た。死刑囚島秋人(後に千葉秋人)の後半の生き様を紹介するものであった。

 見ての第一の印象は死刑という制度は人間として生きようと改心した人、皆に愛されるようになった、その人から命を奪うものであるということだった。

 島秋人は強盗殺人を犯した男である。その男が短歌をとおして知り合った人たちから自分の尊さ、生きることの喜びを知らされて感謝しつつ処刑されていく。

 番組は彼の短歌を紹介しながら進んだのでその中から2、3をここにあげてみる。

にくまるる死刑囚われが夜の冴えにほめられし思い出を指折り数ふ

 島は子ども時からほめられた経験がなかったという。しかし、ただ一人彼をほた人がいた。それは美術の教師であった。死刑囚になった彼はこの先生を思い出す。そして、やがて交わりを与えられ絵も描くのだが、同時に先生の奥様が短歌を勧めたことがきっかけとなり、短歌に生きる希望を見出したのである。

 一度もほめられたことのない人生の持ち主がいること自体驚きであるし、ほめられること、すなわち自分を認められることがわたしたちはどんなに必要なことかを思い知らされる。

 やがて彼は新聞の短歌欄にその名を出すようになった。そして、信仰者の千葉てる子さんや高校に通う女生徒との文通を通して変えられていく。

 たまはりし処刑日までのいのちなり心素直に生きねばならぬ

 助からぬ生命と思えば一日のちいさきよろこび大切にせむ

 こうした歌は死刑囚だけの思いではない。私たちも限りある命である。だから「たまはりし」命を私たちも感謝して素直に生きねばならないのだ。そして一日の小さき喜びを大切にしていきたいものである。

 もう一つ付け加えれば、千葉さんが言っていたことだが、信仰の真理だけを説いても相手にはなかなか通じない。喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く、そこから信仰を伝えていく、この姿勢が信仰者には求められている、このことを教えられた今日の番組であった。

 

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